
「かっさ」という中国伝承療法は、かの西太后も愛した美容メソッド。「エステじゃなきゃ受けられないマッサージなのかな?」と思われるかもしれませんが、台所にある「レンゲ」を使って、手軽に誰でもトライできるんですよ。
鍼灸師・かっさセラピストの島田淑子さんが贈る「健やかさとキレイのためのマッサージ術」を、ぜひ試してみませんか?
4月はスタートの季節。入園・入学・入社、部署の異動など「はじめまして」とあいさつする場面や、記念写真を撮る機会も多いですよね。
理想のフェイスラインをめざす今月の「かっさマッサージ」は、そうした機会の前に、ぜひ試したいメソッドです!
このマッサージの考案者でもある、鍼灸師・かっさセラピストの島田さんは、「お顔の滞りを『開いて・ほぐして・流す』このマッサージを行えば、筋肉の“コリ”がほぐれ、血行がよくなり、イキイキとした表情やステキな笑顔が自然と出てくるはずですよ」とおっしゃっていました。
仕事や家事などなど、現代の女性たちは忙しくて、つい自分のことは後回しにしてしまいがちかもしれません。ですが、だからこそ、このマッサージで自分自身をいたわって、ホッとひと息リラックスする時間をすごしてみませんか?
今日よりも明日がもっと楽しみで、トキメク気持ちになるように。
さあ、「開く・ほぐす・流す」かっさマッサージを始めましょう♪
島田淑子の『1日10分!理想のフェイスラインを目指すマッサージ』のやり方
●まずは、かっさマッサージにぴったりなレンゲを用意しよう!
専用の道具(かっさプレート)を用意するのがベストですが、「今すぐ試してみたい!」と思い立ったなら、「陶器でできたレンゲ」をかっさプレートの代わりにしちゃいましょう!
かっさマッサージに最適なレンゲを選ぶポイントは、持ち手の先端が曲がっていて尖りすぎず、側面がなめらかで、欠けやヒビがないものです。
さあ、この記事を読み進める前に台所でピッタリなレンゲを探してみましょう!


まずは「開く」
①耳の前を上から下へ
②えらの角から耳の下へ
③鎖骨を内側から外側へ
レンゲの持ち手の先の部分で各5回。
ここは「重要なポイント」なので、丁寧に!
☆ここをチェック!
ゴリッとしたり、固くなったり、触ると少し痛みを感じる部分が見つかったら、 “コリ”ができている証拠。早くなんとかしたい!と思ってしまいますが、ちょっと深呼吸を。力を抜いて、やさしく丁寧に、ゆっくりとその“コリ”をほぐすようにマッサージしてあげましょう。

次に「ほぐす(額~ほほ)」
①額
②小鼻からこめかみへ
③口角から耳の前へ
④あごの中央から耳の前へ
レンゲの持ち手の先の部分で①~④の流れを3セット。
眉間から生え際に向かい、額の右半分は右外回しに円を描く。2線目は少しずらし、眉の上から生え際に、額を5線~6線に分けて細かく円を描く。
次に、小鼻の横からこめかみ、口角から耳の前、あごの中央から耳の前、顔の中央から外向きの円を細かく描いていきます。
慣れてきたら少し持ち上げるように円を描きましょう。
☆ここをチェック!
小鼻から始まる線の終点はこめかみ。口角やあごの中央から始まる線の終点は耳の前です。ここまでしっかりと、ほぐしていきましょう。

さらに「ほぐす(目の周り)」
①眉の毛の生えている部分
②眉のすぐ上、毛のない部分
③目の下のクマのできる部分
目の周りもほぐします。
眉毛の生えている部分3㎝を3回こすったら、次の3㎝を3回というように、少しずつ眉毛を描くところまでほぐして、3セット。
眉のすぐ上、毛のないところも同様に行う。
目の下のクマのできるところを通って、こめかみまで細かい円を描くように3セット。
☆ここをチェック!
目の下の部分は皮膚が薄いので、やさしく。力加減は特に注意しながらほぐしましょう。

「ほぐす(あご)」
①あご中央から耳の下へ
レンゲの先のヘリを使って、あごの裏側、二重あごになる部分を中央から耳の下へ「二重あごさん、さようなら」の動きを5回。

「ほぐす(首)」
①耳の後ろから鎖骨へ
②耳の後ろから肩中央へ
③耳の後ろから肩後ろへ
レンゲの腹の側面を使い、耳の後ろから首の前を通って、鎖骨へ。首の横から肩、もう少し後ろの首肩こりのところを通って肩への流れを3セット。
☆ここをチェック!
肩が凝ってる人は、これを行うことで赤みが出る場合があるそう。3日〜1週間で消えますが、赤みを出さないよう、よく鏡を見ながら行いましょう。

スッと「流す」
①額の中央から耳の前へ
②小鼻の横から耳の前へ
③口角から耳の前へ
④あごの中央から耳の前へ
⑤耳の前から鎖骨へ
レンゲの先のヘリを使い、すーっと一気に流します。①②③④を1回ずつ、⑤は3回。
☆ここをチェック!
流すときは、余分なものをすーっと流すイメージで行います。
島田さんのワンポイント・アドバイス

◆マッサージタイムをより充実させるために
「顔がこる」と聞くと、あまりピンとこないかもしれませんね。
ですが、お食事をしたり、おしゃべりしたり、表情を作ったり…日常の中でお顔の筋肉を動かす機会はたくさん思い浮かぶでしょう。つまり、その分、“コリ”が生じる機会も多いというわけです。
また、最近は食いしばりや歯ぎしりをしてしまう方も多くなっているようなので、多くの方が「顔がこっている」状態だと考えられます。
その“コリ”をかっさマッサージでケアしてあげると、肌が柔らかくなる、笑いやすくなったり、立体感を感じたり、イキイキした印象になります。 朝に行えば、お顔が整ってメイクもしやすくなり、1日を前向きな気分でスタートさせることができるでしょうし、夜に行えば、滑剤として使用するクリームやオイル、美容ジェルを角質層のすみずみまで浸透させられる上、リッチな気分のままお休みになることもできますね。
まだまだ「美容・マッサージは時間もお金もかかる」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、このマッサージならレンゲとクリームやオイル、美容ジェルがあればOK。ご自身の好きなタイミングでできるのも、忙しい方にとって嬉しいところです。
ただ、顔をマッサージする際に注意したいポイントがあります。
次の4つはチェックしておいてくださいね。
① 必ず、メイクは落としてから!
レンゲの動きをなめらかにするためのクリームやオイル、美容ジェルを使うこと
「クレンジングにコールドクリームを使っているから、メイク落としの時にマッサージもしちゃおう!」と思われるかもしれませんが、汚れと一緒にマッサージすることになってしまいますし、毛穴に汚れを押し込めるばかりか、必要以上に肌のうるおいまで落としてしまうことになりかねないので、オススメしません。
せっかくのご褒美タイムなので、少しぜいたくに、お肌にプラスになるものを使ってみてください。
② 忙しいときは、「ここだけする」ではなく「全体をサッと」行う
「朝はここだけ!」という風にピンポイントで行うことはオススメしません。お顔の筋肉は“連帯責任”。忙しくても「マッサージしておきたい!」という日には、開く・ほぐす・流すの動作の回数を少なくして、お顔全体を通して行うようにしましょう。慣れてくると全顔行っても5〜10分程度なので、ちょっと時間をやりくりしてみませんか?
③ 飽きちゃったら、ちょっとお休みしてみるのもひとつの手
初めて行う時はきっとマッサージ中の手ごたえが楽しく、行った後も心地よい満足感でいっぱいになると思います。ただ、毎日何度も行っているうちにちょっと“飽きてしまう”ことがあるかもしれません。そんな時は思い切ってお休みしてみるのもひとつの手。きっとまた「やらなきゃ!」と思う日がくることでしょう。
一番避けたいのは、1週間頑張って、3週間休む、ということ。週2回でもいいので、コンスタントに続けるよう心がけてください。
④ 気持ちいい〜イタ気持ちいいと感じる力加減で
皮膚の薄い方、“コリ”が強い方など、お顔のコンディションは人それぞれ。そのため、力加減をお伝えするのはなかなか難しいのですが…ご自身で「気持ちいい(イタ気持ちいい)な〜」と感じて続けられたら、それが正解です。
さあ、あなたがもつ本来の美しさを解放してあげましょう!
▼かっさマッサージのときのおすすめアイテム
リッチなコクのある感触のクリームを少したっぷりめにつけてみてくださいね。

●グラマティカル 薬用ホワイトニングゲル
80g 2,800円(税込 3,080円)/トップバリュセレクト
みずみずしい感触で指の滑りがなめらか。かっさマッサージのときはさくらんぼ2個分ぐらいを目安に、肌にのばしてからマッサージをしましょう。すぐにメイクをするときに気になる場合は、ティッシュオフをして。朝と夜、どちらもおすすめです。

●横濱馬油商店 生馬油 こうね100% ゴールド
50g 3,000円(税込 3,300円)/ディアラ
馬刺しとして食べられる「こうね」の上質な部分だけを使用。なじみやすく、すーっとのびます。夜のかっさマッサージにおすすめ。お手入れの最後にパール粒2個分をなじませてかっさマッサージをしてくださいね。

島田 淑子[Sumiko Shimada]
「東洋医学ライフクリエーター」
鍼灸師・美容師・国際中医薬膳師・調理師
日本かっさ協会会長
東洋医学ライフクリエイティブ協会会長
鍼灸院、病院、エステサロン、大手化粧品メーカー研究所勤務を経て独立。その後「日本かっさ協会」を設立。
中国古来のかっさ療法を独自にアレンジした「島田流かっさマッサージ」を開発した日本のかっさの第一人者。
また、最近は発酵・低糖質・薬膳を使って一人一人に合わせる食養生に東洋医学的なメンテナンスをプラスした「気流メソッド」を考案し、「東洋医学ライフクリエイティブ協会」を設立。
2014年6月には全ての活動の研究・発信の場所として北鎌倉に「気流LABO」を設け、東洋医学を柱とした健康・美容・食などの研究やセミナー活動を行っている。
【著書】
『かっさマッサージ』(KKベストセラーズ)
『魔法のかっさプレート』(永岡書店)
『糖質オフなのに満腹ダイエット』(主婦の友社)
◆もっと本格的に「島田流かっさ」をやってみたい人は
日本かっさ協会WEBページをチェック!
◆島田淑子先生の著書をチェック!
本の通販はこちら(mibon本の通販by未来屋書店)
Link
※このページに掲載している情報は、2018年4月20日時点のものです。
※商品情報を掲載している場合、価格やパッケージが変更となる場合がございますのでご了承ください。
※商品が在庫切れ、販売終了となった場合などに、リンク先のページが正しく表示されない場合がございますのでご了承ください。