
「かっさ」という中国伝承療法は、かの西太后も愛した美容メソッド。「エステじゃなきゃ受けられないマッサージなのかな?」と思われるかもしれませんが、台所にある「レンゲ」を使って、手軽に誰でもトライできるんですよ。
鍼灸師・かっさセラピストの島田淑子さんが贈る「健やかさとキレイのためのマッサージ術」を、ぜひ試してみませんか?
暑い夏だからこそ、冷たい食べ物や飲み物をたくさん摂って、体が冷えた状態になることってありませんか?また、エアコンの効きすぎたオフィスや公共の場などに長時間いることで、「寒すぎて体が冷え切ってしまった!」という経験をすることも多いですよね。
特に女性は男性に比べて「冷え」には敏感なもの。なかには、手先など冷えやすい部分をマッサージするのがクセになっている、という人もいらっしゃるかもしれません。
撫でたりもんだりすると血行が良くなってポカポカと温まってくるものですよね。体にも良さそうなのですが…せっかくなら、きちんとしたメソッドを知って、試してみるのはいかがでしょうか?
たとえば、東洋に古くから根ざし培われてきた健康Tipsでもある「かっさマッサージ」は、手軽に始められるので、セルフメンテナンスにはもってこいですよ。
かっさプレートの代わりとなるレンゲを使えば、家でのリラックスタイムにすぐに始めることができ、コツをつかめばオフィスなどで気になった時に試してみやすいはず。
今日よりも明日がもっと楽しみで、トキメク気持ちになるように。
さあ、ボディかっさマッサージでセルフメンテナンスを始めましょう♪
島田淑子の『夏の冷房対策に!東洋の知恵で行うセルフメンテナンス・マッサージ』のやり方
●まずは、かっさマッサージにぴったりなレンゲを用意しよう!
専用の道具(かっさプレート)を用意するのがベストですが、「今すぐ試してみたい!」と思い立ったなら、「陶器でできたレンゲ」をかっさプレートの代わりにしちゃいましょう!
かっさマッサージに最適なレンゲを選ぶポイントは、持ち手の先端が曲がっていて尖りすぎず、側面がなめらかで、欠けやヒビがないものです。
さあ、この記事を読み進める前に台所でピッタリなレンゲを探してみましょう!
使用するレンゲはこちら

疲れてずーんと重い足も、パンパンな腕にもさようなら!
東洋の考え方では、疲れて足にずーんとした重さを感じたり、腕がパンパンになるような感覚があって、冷房の効いた部屋にいることが多いなら「三焦経(さんしょうけい)」という経絡のマッサージで対策します。
肘から手首まで、手の甲側を少しずつこすり上げます。
5cmを3回こすったら次の5cmを3回という風に、少しずつこすり上げるのを3セット繰り返してマッサージしましょう。

●レンゲの柄の先を使う
●5cmを3回ずつこする×3セット
☆ここをチェック!
経絡(けいらく)がねじれてしまわないように、写真のように肘を曲げて、胸元に手を置くようにして行うのがポイントです。こうすることで、安定してマッサージができるようになりますよ。
冷房対策には、脚の経絡「脾経(ひけい)と腎経(じんけい)」
足の内側の骨のきわにある「脾経」と、うちくるぶしとアキレス腱の間の延長線上にある「腎経」は、それぞれ食べ物から元気をつくる、体の熱をつくり出す大事な経絡だと考えられています。

ここをマッサージする際も、足首からひざに向けて、5cmを3回こすったら次の5cmを3回を、3セットという風に、少しずつこすり上げます。
ちょっと温かく感じるくらいまで、念入りに行いましょう。
●レンゲの柄の先を使う
●5cmを3回ずつこする×3セット
☆ここをチェック!
以前もご紹介しましたが、ここをマッサージしていると「痛い!」とか「感触が違うな」と感じる人が多いと言われます。そんな時はあえて力を弱めて。もし滑剤のオイルやクリームが少なくなって肌が引っ張られるように感じたら、適量を足して滑らかにしながら、ていねいに労るようにマッサージしていきましょう。
手の甲・足の甲のマッサージはこれがおすすめ!
血行を良くすることで、冷房対策を。
そんな時は、手足の指の骨と骨の間をレンゲの柄の先で、手首・足首側から指先に向かってこすっていき、最後に水かきの部分を少し力を込めて軽く圧迫するのがポイントです。


☆ここをチェック!
この時期、冷房が気になる、というお悩みは多いはず。そんな人はぜひ、仕事の間の休憩時間や家事の合間のひと休みに、試してみませんか?
島田さんのワンポイント・アドバイス

◆マッサージタイムをより充実させるために
「冷房の効いた部屋にいて、疲れて足が重い、腕がパンパン」と言っても、東洋医学では、この時期なら主に3つのタイプを想像します。
1つ目は、体に余分な水分がたまるタイプ。そして、食べ物から元気を作りだすことができないタイプ。3つ目は、バランスよく食事をしていて体に余分な水分がたまっていないのに、なぜか体が熱を作り出せない、元気が出てこないというタイプです。
今回ご紹介した、三焦経、脾経、腎経へのマッサージは、それぞれに対応しているので「夏の冷房対策」として、試してみてくださいね。
もちろん、全部を試してみるのもいいですが、「私はこのタイプだな」と思うものがあれば、それを続けて試してみても良いでしょう。

また、くるぶしの一番高いところから指4本上の場所にある「三陰交(さんいんこう)」というツボは、今回つかった脾経と腎経、そして「肝経(かんけい)」という大事な経絡が交わる場所なので、ゆっくりと圧をかけて押してみるのもおすすめです。
その際、火を使わないお灸やレンジで温めて使うお灸を使ってみるのも良いですね。しっかりとセルフメンテナンスを行いたい、という人は一度、そうしたアイテムもチェックしてみてはいかがでしょうか?

●火を使わないお灸太陽
12個 1,210円(税込 1,306円)/セネファ
火を使わないので貼ったままで外出できるお灸。素肌にやさしく貼れ、温熱効果があります。温熱の持続時間は約3時間、皮膚面の平均温度は40~50度位の温かさ。もぐさの匂いがほとんど感じないのもうれしいポイント。
※お求めはグラムビューティーク、イオン、イオンスタイルの店頭へ。

●レンジ灸 本体
2個+32枚 980円(税込 1,058円)/桐灰化学
煙が出ないのがうれしい、火を使わず、電子レンジで加熱するレンジ灸。約48℃の熱がググッときて、スッとラクになります。粘着シートは天然よもぎエキス配合。本体は約200回繰り返し使えます。
※お求めはグラムビューティーク、イオン、イオンスタイルの店頭へ。

●レンジ灸 取替え粘着シート
64枚 980円(税込 1,058円)/桐灰化学
レンジ灸本体を体に付けるために必要な粘着シート。天然よもぎエキス配合のため、よもぎのよい香りがします。64回分使用可能。
※お求めはグラムビューティーク、イオン、イオンスタイルの店頭へ。
夏冷えの代表的な原因として、夏野菜のトマトやキュウリなどは、東洋では「体を冷やす」とされる食べ物ですので、摂りすぎに注意が必要です。
これらは旬の野菜なので、食べないというのももったいないですが、体を温めるとされるネギなどの薬味と一緒に食べたり、スープやお茶にそうしたものを加えて飲んだりすることで、うまくバランスを取るように心がけてみてください。
また、東洋の考え方では、緑茶やコーヒーといった飲み物は体を冷やすとされています。気になるという人は、夏の間だけでも違った飲み物に変えてみませんか?
島田先生におすすめを教えてもらいました♪
★おすすめ食材
あずき、とうもろこしのひげ
※どちらも「お茶」にして摂るのがおすすめ
●元気がなく、冷えも気になる人に…
羊肉、鶏肉、海老、鮭、鰹、なつめ
※ポイント「夏野菜は身体を冷やすものが多いので、ネギなどの体を温める薬味と一緒に摂りましょう」
飲み物を飲む際は、体の内側から温まるようにホットもしくは、常温でいただくようにしてみませんか?どちらのお茶も、ホットなら湯気と一緒にほんのり甘い香りが漂ってきますよ。
【あずき茶の作り方】
あずき1/4カップを洗って、鍋に水2カップ、昆布切手大1枚と一緒に入れて火にかけ、沸騰したら弱火に。20分ぐらい煮て水が半分ぐらいになったら完成です。

●とうもろこしのひげ茶
8g×20パック 475円(税込 513円)/山本漢方製薬
ノンカロリー、カフェインがゼロの体にやさしい健康茶。スイートコーンのひげと実をブレンド。天然素材原料なので、色や風味が変化する場合がありますが、使用には差し支えありません。開封後は、お早めにご使用ください。
※お求めはグラムビューティーク、イオン、イオンスタイルの店頭へ。

●エヌ・ハーベスト 有機ジンジャーエール スパイスミックス
20g 510円(税込 550円)/エヌ・ハーベスト
有機栽培のカルダモン、シナモン、クローブにジンジャーを絶妙なバランスでブレンドした自家製ジンジャーエールシロップが作れるスパイスミックスです。炭酸水で割るとジンジャーエールになる他、好きな飲み物にプラスしてアクセントを楽しんでくださいね。

●クナイプマッサージオイル グレープシードオイル100
100mL 1,800円(税込 1,944円)/クナイプジャパン
不飽和脂肪酸や抗酸化物質(ビタミンE、ポリフェノールなど)を多く含むグレープシードオイルとキシメニン酸を配合により、お肌もしっかりうるおします。また、ほのかな優しい香りでボディかっさマッサージにぴったりの潤滑オイルです。

●GEO ORGANICS(ジーオ オーガニクス)ピュアオイル アルガン
27mL 2,000円(税込 2,160円)/トップバリュ グリーンアイ オーガニック
ビタミンEを豊富に含むほか、肌のごわつきをケアしやわらかくするオレイン酸や、肌バランスを整えセラミドの生成を促すリノール酸を含みます。うるおいに満ちた肌へ。
かっさマッサージで使うときは、お肌の状態に合わせてレンゲが滑らかに滑る程度の量をつけましょう。乾燥が気になる方におすすめ。

●GEO ORGANICS(ジーオ オーガニクス)ピュアオイル アプリコット
27mL 1,800円(税込 1,944円)/トップバリュ グリーンアイ オーガニック
ごわつき、ざらつきの気になる肌に。

●横濱馬油商店 生馬油 こうね100% ゴールド
50g 3,000円(税込 3,240円)/ディアラ
馬刺しとして食べられる「こうね」の上質な部分だけを使用。なじみやすく、すーっとのびます。
ボディのかっさに使うときは、マッサージする部分にパール粒1~2個分をなじませてからマッサージしましょう。
島田 淑子[Sumiko Shimada]
「東洋医学ライフクリエーター」
鍼灸師・美容師・国際中医薬膳師・調理師
日本かっさ協会会長
東洋医学ライフクリエイティブ協会会長
鍼灸院、病院、エステサロン、大手化粧品メーカー研究所勤務を経て独立。その後「日本かっさ協会」を設立。
中国古来のかっさ療法を独自にアレンジした「島田流かっさマッサージ」を開発した日本のかっさの第一人者。
また、最近は発酵・低糖質・薬膳を使って一人一人に合わせる食養生に東洋医学的なメンテナンスをプラスした「気流メソッド」を考案し、「東洋医学ライフクリエイティブ協会」を設立。
2014年6月には全ての活動の研究・発信の場所として北鎌倉に「気流LABO」を設け、東洋医学を柱とした健康・美容・食などの研究やセミナー活動を行っている。
【著書】
『かっさマッサージ』(KKベストセラーズ)
『魔法のかっさプレート』(永岡書店)
『糖質オフなのに満腹ダイエット』(主婦の友社)
◆もっと本格的に「島田流かっさ」をやってみたい人は
日本かっさ協会WEBページをチェック!
◆島田淑子先生の著書をチェック!
本の通販はこちら(mibon本の通販by未来屋書店)
「島田淑子の“明日と未来の私のために”レンゲでかっさマッサージ」記事一覧
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※このページに掲載している情報は、2018年8月10日時点のものです。
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